約150年前の写真技法『 WET PLATE COLLODION PROCESS』を現代に復刻しました。

NEXT THE SAREE OF PINK!! 2019“

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この技法は、所謂戦前の乾板写真の普及する前の技法で、日本では湿板写真技法と呼ばれたものです。

1851年にイギリスのフレデリック・スコット・アーチャーが発明したと言われるこの技法はヨウ化物を分散させたコロジオンを塗布した無色透明のガラス板を硝酸銀溶液に浸してヨウ硝化銀の感光膜を作ったものです。 

湿っているうちに撮影し、硫酸第一鉄溶液で現像し、シアン化カリウム溶液で定着してネガティブ像を得るとうい現代ではとてつもなく面倒な作業を伴い、劇薬扱いの薬品の入手だけでもすごく手を焼きました。

幸いにもTeragishi photo Studio®の母体は株式会社 寺岸堂であり法人登記しているため、製薬会社と交渉が可能であり会社の登記簿謄本から印鑑証明まで提出しやっとの思いで薬品を入手する事が出来ました。

この技法を使った最も有名な作品は、幕末期に撮影された『坂本龍馬』を撮影した写真です。

あの時、僕はなぜにここまでの面倒な技法の復活にムキになったかというと、やはりそこには現代の退屈で陰湿な写真を取り巻く時代への反発からではないかと思います。正確には、そのよくわかんない自分自身と、生業としている写真とうい物そのものに、あの時の僕はそうとうにイライラしていたのだと今は思う。

お道具の進化した現代において、たかだか押せば勝手に写るそんなものを、あたかもそれが写真だと言わんがばかりか、よってたかってなんだかんだともてはやす。道具に振り回され、PCでいじくりまわし、大事なものなんか何一つ写っていない。世の中、お気軽気軽、ふわふわしてて、そんな風習がその時の僕には許すことができず、すごく吐き気がするほど嫌でどうしようもなく、その反動で本当に専門的な撮影技術や知識、技法、熟練を要する技のような物を習得しなければ写せない、そんな写真を写したかったのではないかと今は思う。 

写真は、それは絵画ではない。それは、まだ写真が古典なってはいないから他ならないと、

故 土門先生はおっしゃる。

写真の古典とは一体何か?そしてそれは、古典になる前に姿を変え、実態のない画像に成り代わりそうになっている。後何年それは持つのかなんて今の僕には全く関係のないことだし興味も無い。世の中が画像と写真の本当のところを知らずにいることも、またそれは僕にとって全然どうでもいいことだ。

が、しかし、湿板のそのハガキサイズのガラス板に刻まれた、そのネガティブ像に映るその実態は、画素数だの何だのが馬鹿らしく思えるほどに実態感を持ち、まるでそこに実態があるように、僕には見えた。 

戦前のレンズや暗箱、蛇腹カメラの入手から始まり、古い文献を読み漁り、劇薬の薬品を手に入れ、何度もレシピの配合や温度管理など工夫し作り出した。出来上がったコロジオン溶液のISO感度は今の基準に直せばISO3前後というありえない数値であり、スタジオのジェネを総動員して3200ws、合計6発のストロボでも露光が足らず、ストロボを瞬間的に二度発光させるなど試行錯誤を繰り返し写真を撮った。

その写真という歴史的ジェネレーションを体験し成功させることが、あの時の僕自身の写真に対するけじめのような気がしていたと、今は思う。 

で、今年の初め、ミュゼマエナカ夫妻からうちで個展を開きませんか、

とありがたいお誘いを受けました。

大体が作家とは言え、たかがカメラマン。物売り主体の儲けねらいの個展が開けるわけもなく、身銭を切り、ただ自分の写真を見てもらうだけの、ただそれだけのこと。冷静に考えるまでもなく、アホウしかやらないことだろう。が、金勘定だけでは世の中何もなし得ることはできず、アホは死ぬまで付きまとうのだと観念し、ここで一度節目と思い返し、このありがたいお話をお受けすることにしました。  

令和元年9月、僕は三年ぶりの個展を開きます。

場所は蔵王山の裾野『ミュゼ・マエナカ』です。 僕は、2016年6月に仙台 AER ニコンプラザ仙台で個展を行いました。それからあっという間の三年。 

『2011年の冬、人生に絶望していた僕は、カメラ一台に50mmレンズ一本とフィルム100本を持って北インドを旅してきた。』と、いう下りが懐かしい。

帰国後、この三年で撮影した写真は20万カットを超える。 で、今の僕はどうなったか、と聞かれると、それは三年前と何も変わらず、今も人生に絶望している。

僕は後7年で60歳を迎える。絶望している幸せな時間はそんなに長くは残っていない。

期日が近づきましたら、また改めてご案内致します。秋の紅葉真っ只中の蔵王の裾野、是非、ご予定を空けておいて頂ければ幸いです。また皆様にお会い出来るのを楽しみに、ご観覧を心よりお待ちしています。 

寺岸 宏一写真展 『next THE SAREE OF PINK!! 2019“』
会場:ミュゼ・マエナカ
http://www.musee-maenaka.com
宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉小妻坂51-213tel.0224-34-4455   
会期:2019 令和元年9月21日(土)〜27日(金)

 

THE SAREE OF PINK | TERAGISHI PHOTO STUDIO
令和元年9月、僕は三年ぶりの個展を開きます。場所は蔵王山の裾野『ミュゼ・マエナカ』です。 僕は、2016年6月に仙台 AER ニコンプラザ仙台で個展を行いました。それからあっという間の三年。 『2011年の冬、人生に絶望していた僕は、カメラ一台に50mmレンズ一本とフィルム100本を持って北インドを旅してきた。』と、い
撮影:Akiko.T/ooba.Y

2019″ Thank you for your viewing ! We look forward to shooting you! Teragishi photo Studio® photo by K.Teragishi® http://teragishi.com/

この記事を書いた人
Kouichi Teragishi

Teragishi photo Studio® 仙台在住のフォトグラファーです。

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