昨年の9月、僕の写真展でお世話になった、蔵王 ミュゼ前仲の
前仲真理子女史の個展が、北青山の画廊『桃林堂 画廊』で、2020年2月25日より開催されます。
『前仲 真理子と若い仲間』タイトルの通り、今回は大槻智子さんと共に展示します。
大槻智子さんは磁器土の質感と素材をいかし植物をモチーフにしたいうえ多く制作されている作家さんで、その時、僕はまだお会いした事がなかったのですが、事前にSNSでお友達にならせていただき、後日、マエナカの方から作品を送っていただきました。
『白バックにシンプルに凛とした絵を撮ってください、後はお任せいたします。』と、オーダーを受けて、僕は1週間ほども悩みました。
今回出来上がった写真も、それは、色々やった割には、見た目、やっぱりそのままで、角度も、これ以上どうしょうもないくらいセンチミリミリで追い込んで撮影しました。
これは、大変な事で、このような磁気の場合、それはなにも考えずに、ただ、手にとってみれば、すぐにその良さが、その手の感覚で伝わってきて分かります。それは言葉で何時間説明しようが、手にしたその感覚を、それが少しでも伝わるようにと、僕は写真家の意地をかけ、いつも悩んで悩んで、何度も何度も光の質を変え、方向を変え、一番その作品が素敵に見えるように写そうとします。
大きさはだいたい花瓶で40cmくらいでしょうか、レンズは色々と迷った末に、やはりどんなに絞り込んでも、前後にピンが切れるので、90mmのシストレンズを使い煽りを入れています。
ライトは1発、斜め前。大槻さんの引っ掻いた模様と、もっこりした赤い花、それが月明かりで照らされて、限りなく柔らかな影を落とす。
そんなイメージで撮った写真です。
静かな夜に、月の光に照らされて咲く赤い花をイメージしました。
植物は、土から栄養をもらい、成長し最後に花が咲き、そしてまた土に還る。
そんなサイクルや、時間の流れを表現出来たらと思い制作した作品です。
白い生地を引っ掻き、葉っぱや茎を描いています。
影によって、その立体感が出たらと思っています。
大槻智子
ここだけの話、マエナカからくる撮影の仕事は、いつもそうなのですが、初めてきた仕事は2年前、真理子さんとクニヤさんの個展の時で、その時は白いお茶碗。次にきた仕事はクニヤさんの黒いお皿、そして今回は白い細口の花瓶に唐辛子の平皿。
白い物を白く、黒物を黒く。言葉にしたら、それはあまりにもあたりまえで単純な事がゆえに、それはすごく難しい。
ありがたいことに、そんなこんなで、毎回、僕の腕は磨かれていくのです(笑)
2020年2月25日からです。是非、お誘い合わせの上、ご高覧ください。
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