このところ、お陰様で大変好調な売れ行きを見せている
『ELVIN SOUND MANUFACTURING CO. INTEGRATED AMPLIFIER GT-Z #2 』本日一台完成いたしました。
僕はこのプロジェクトに関わり、かれこれ4年に届こうとしています。
主に企画、広報を担当しており、もちろん、僕も自分のスタジオではこの小さな真空管アンプをメインで使っています。ご存知の方は多いと思いますが、当スタジオには仕事柄、頻繁に世界各国の名機と言われる機械が入ってきます。それは何十万、何百万円の世界です。
僕もこの道に入って、程度こそあれ、散財に次ぐ散財を経験した一人です。興味のない人にはどうでもいい話ですか、この道はとても険しく、また深いものです。
今回も一台組み上がりスタジオで撮影し、
そしてスタジオのモニタースピーカーにつなぎ、出来栄えを確認しました。
いつも出来上がった時の確認は、スタジオを締め切り一人っきりで愛機1947年製 ALTEC オリジナル 黒箱 604で行います。僕のもっとも信頼を置いているスピーカーです。簡単に言ってしまえば、過去僕は様々な部品をつなぎこのスピーカーでモニターしてきましたが、この小さな真空管アンプの音を超えるものは未だ現れません。
『その音の実体感は、まさにぞっとするほどのリアリテイをもって音となる。』能率の高い、本物のスピーカーをお持ちの方、音楽が好き、特にレコードを楽しまれたい方などに特にオススメいたします。
今回、オーダー頂いたのは宮城県 県北にお住いの匿名 KMU氏。
彼のオーディオ暦はかれこれ35年に及ぶベテランで、その筋では大変有名なお方。音楽の傾向はとても幅広く、相当枚数のレコードを含めたコレクションを保有されている、耳のとても鋭い方です。
現在、氏のシステムは、ヨーロッパの大型スピーカーを柱に、各真空管アンプやマランツ7、LINN LP12など多数保有しているかなりの使い手で、20畳はある贅沢なリスニングルームは音響工学に基づき専用設計されており、空調の効いた部屋は快適そのもの。で、そんな何不自由ない環境で、往年の名機と言われる様々な音響機材を使っていても、この小さな真空管アンプの音にやられてしまったという結果。
彼曰く『この音を出されてしまったら、もうどうしようもない』。。。
初号機が世に出てから早10年、
これまで100台に手の届くほどの販売実績のあるこの小さな真空管アンプには、稀少な Western Electricの球を使ったCR型のフォノEQが装備されています。
その他、入力2系統のプリ部+2.5w出力のパワーアンプを装備しオールインワンのプリメインアンプに仕上げてあります。この最小システムにプレーヤーをつないでいただき(MM型)お気に入りのスピーカーをつないでいただけると、そのままお使いいただけます。
ELVIN GT-Z Integrated Amplifier 製品仕様
6BQ5シングル CR型 フォノイコライザー回路内臓 ステレオ・プリメイン・アンプ 入力:フォノ×1、 Aux ×2 (Phono部 :WE-408A(5極管) →CR EQ→WE-407A(双3極管))
なお、ウエスタン球でも僅かにバラツキがあります。本アンプでは1本1本実装し、ハウリングマージン及びゲインのマッチングなど、精密に測定した選別球を使用している為、絶対に真空管の差替えはしないで下さい。
Mainamp部:ドライブ管にWE-407A(双3極管)出力管6BQ5(EL-84) ビーム接続 安定性重視のセルフバイアスを採用しているため、無調整で同系他社の出力管と挿し換えが可能です。
組み込みには、絶大な信頼のアンプ制作マイスターによるオールハンドメイドで、手間を惜しまず音に悪影響を及ぼす基盤類は一切使わず、熟練を要する伝統の櫓組で仕上げております。
内部配線材は、大変希少なWestern Electric ビンテージ配線で結線されています。結合コンデンサーには、ニュートラルな音質・抜群の信頼性を兼ね備えたドイツ製のWIMAを使用しております。
オリジナル 鉄製 シャーシ グレー ハンマートーン塗装
サイズ 横 265mm 縦 140mm 奥 158mm(突起含まず)
重量:4.8kg (メーカー保証 購入後 1年)定価 \180.000-(税別)
エルビンアンプは、皆さんご承知の通り、如何に安くて良い音を提供できるかを追求したアンプです。
回路的には、出力段に6BQ5という汎用管を用い、トランス類も外観は一見貧弱に見えます。しかし、LPを聴ける様に真空管フォノイコライザーまで、内蔵し、シャーシのサイズはB5版に納められているという、コンパクトなプリメインアンプです。
自作派の方が見て、こんな物「5万円も有れば作れる筈だ」と、豪語していった、という話も聞きましたが、相当のベテランアンプビルダーでも、オール真空管のフォノイコライザーまで内蔵してB5サイズのシャーシに組み込む事がどんなに大変な作業か分かると思います。
まず、フォノイコライザー単体で製作しても、余程の達人でない限りノイズやゲインのアンバランス、に悩まされる事でしょう。そして何よりもその音質に皆ビックリします。製作にあたり、今まで百数十台は製作した実績があります。
何も言わずに、良質なスピーカーに繋いで鳴らしている時に、小型軽量のこのアンプの音を聴いていた事を知り、皆ビックリします。世の中には、何百万円もするアンプでオーディオを楽しまれている方がいる様ですが残念に思う事がしばしばあります。
まず、試聴できるところに行って、全ての先入観を捨てまっさらな状態で、目をつぶって愛聴盤を聴いてみる事です。きっと何か感じる筈です。
この度、エルビンアンプの新型が開発されました。初号機が世に出てから10年の月日を経てまた違った世界に出逢う事になりました。
勿論、それぞれユーザーの方々がお使いになられている初期のエルビンアンプを単に新型に入れ替えただけでは、トータルバランスから必ずしも新型が旧型に対して絶対的に優れているとは、単純には結論付けられません。が、今回手が入れられたキモの部分は、主としてフォノイコライザーアンプにあります。
旧来のタイプは、12AX7という皆様ご存知のプリアンプに多用された、実に汎用性が、高いうえに現在でも、各社が、プリアンプに使用している名球を、帰還型の比較的オーソドックスな回路構成で、使用しておりましたが、新型エルビンアンプは、フォノイコライザーアンプに全てWE(ウエスタン・エレクトリック)社の高信頼球を用いて、CR無帰還型を採用し、音の雰囲気が変わりました。
その良さがハッキリと確認できるのは、スタジオ録音より、響きの良いホールで聴いた際に感じる空気感の再現に優れているという事です。音楽が鳴り始めるほんの一瞬の聴衆の騒めき、演奏中の聴衆のかすかな囁き声や、楽器以外の場の情景が目に浮かびます。皆さんも、一度愛聴盤を持って是非試聴される事をお勧めします。
今、オーディオ業界では、ハイエンドオーディオは、考えられない様な価格設定になってしまっています。それぞれの趣味嗜好を否定する訳ではありませんが、改めて価格や、評論雑誌などの呪縛から逃れ、真っ白な気持ちでオーディオシステムを見直す時に差し掛かっているのでしょう。
エルビンアンプは、皆様の試聴の機会をお待ちしております。また、楽しく鳴るスピーカー、ケーブルなども製作致します。お気軽にご相談ください。
敬具
audio sadistic 会長 大庭康彦
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